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スパイ 2016.03.19

荒唐無稽なスパイ映画が昔から大好きです。娯楽映画に登場するスパイ(笑)は、何かにつけては銃をぶっ放して雑魚を叩きまくり、人目に付く市街地でカーチェイスを展開してオープンカフェのテーブルをなぎ倒し、わざわざヘンテコなガジェットを使い、オレは諜報員だと方々で吹聴し、あまつさえ絶世の美女をやたらめったら一緒に連れ回す。ここにスパイがいるよ!とみずから喧伝しているようなものですが、実際のスパイはそんなに目立っていたら仕事にならないので、地味で冴えないルックスのごく普通のヒトが、社会の片隅でひっそりとやっているのだそうです。『ブリッジ・オブ・ザ・スパイ』(2015) は、米ソそれぞれで逮捕された相手国スパイの身柄交換に尽力した冷戦時代の弁護士の物語ですが、ここで登場するソ連スパイは、まさにそんなイメージにピッタリ合致の地味男でした。

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画像は予告篇より


この、どこにでもいそうな、これといった特徴もない初老スパイを演じたマーク・ライランスが本当に良かったので、何か一言触れてみたいと思っていました。でも地味なスパイの話なんて地味だしなと放置していたところ、本作の演技で彼が助演賞オスカーを受け取っていた事を知ったのです。そりゃそうだろうと心から納得しました。まるで後だしジャンケンのような、オレには分かっていたよアピール…。さっさとブログ書いておけば良かったと、今日ほど思わされた日はありません。

彼の演じたソ連スパイは、独りの部屋で淡々と油絵を描き続け、電話指示があれば地下鉄で出掛けてスケッチの合間に機密情報を受け取り、また部屋に戻って黙々と解読する。社会から置いてけぼりをくらって退屈な日常生活に埋没せざるを得ないかのような、まるで取り柄のなさそうな平凡男。言葉数少なく、自己主張も派手な行動もない。報われる事もないままに、何十年も孤独なスパイを続けられるだけの鉄の意志と忠誠心を持っているという意味では、極めて特徴的な人物ではあるのですが、なんせその強い心を他人に見せないのですから、見かけ上は本当に「普通の人」でしかありません。

アルコール依存症患者役なんて(役者だったら)誰でもできる。本当に難しいのは、朝起きてネクタイ締めて出勤するような普通の役だ。というような事をビリー・ワイルダーが言っていますが(この話を引用するのはたぶん十回目位…)、無口なよりも饒舌な方が、内気なよりも活発な方が、普通よりも異常な方が演じ易いであろうことは、シロウト目にも明らかです。だからこそ、内に秘められた人物の資質がそのまま外側に現れるというメビウスの輪のような彼の芝居には、軽い眩暈を覚えてしまうのです。



Comments

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Bill McCreary : URL

2016.04.17 Sun

すみません、ogatさんのこの記事を、拙ブログで引用させていただきました。

http://blog.goo.ne.jp/mccreary/e/2ceaec7c955f2cbf3ba3d4c26f56375f

いまの時代、荒唐無稽なスパイものよりは、リアルな方が人気があるのかもという気はします。いや、007も、「ミッション・・・」も人気だから、そうでもないか。

>アルコール依存症患者役なんて(役者だったら)誰でもできる。本当に難しいのは、朝起きてネクタイ締めて出勤するような普通の役だ。というような事をビリー・ワイルダーが言っていますが

日本でも、売春婦は演じられても、家庭の普通の主婦だか深窓の令嬢を演じるのは難しいなんていわれますよね。

ということは、徹底的に普通の人を題材にした小津安二郎はすごいということかもしれません。昨年の「午前十時の映画祭」で作品が取り上げられましたが、ogatさんはご覧になりましたか。

ogat : URL

2016.04.18 Mon

>Bill McCrearyさん

マットデイモンのジェイソン・ボーンシリーズあたりからシリアスな諜報員モノが流行になり、約10年前の007シリーズ・リブートも、ギミックに頼らない肉弾的ポリシーなどでおそらく強い影響を受けているのではないかと思います。そういう意味では、娯楽スパイ映画の最後の砦(?)はミッション〜シリーズという事になりますね(微笑)MI4は少しパワーダウンした感じがしたのですが、更に次作も出来るそうで楽しみです。

小津は二本とも観ました。恥ずかしながらあまり開拓していない分野だったので、今更ですがとても面白かったです。杉村春子はスゴいですね。強烈に作った「演技」なのに、演技を感じさせないものがあって後ずさりしました。

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