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Minuano「宵街」Available on iTunes
ライアンの娘 (1970) 2015.07.02
20世紀初頭。英国統治下のアイルランドを舞台にした
禁断の恋を通じて描く、人間の営み。地球の営み。
デヴィッド・リーン監督作品では
すっかりお馴染み(?)の
壮大な自然描写が驚異的です。
強風に流れるまばらな雲の青い影が
ヒロインの歩く砂浜に映って動いて行くという、
そんな美しい遠景シーンが出てきます。
おそらく撮影時にはこの天候を待って
撮影クルーが何日も(もっと?)待機していたのでは、
と想像します。
嵐の海から船の積荷を引き上げる場面でも、
大荒れの海辺で大掛かりなロケをしていて驚いた。
台風シーズンになると、雨合羽姿の地元レポーターが
ズブ濡れになっている光景をよく見かけますが、
それを100倍激しくした位に荒れた海で、
本当にカメラ回して役者が演技している。
こういうシーンは観た事がなくて、心底たまげました。
大自然描写の話ばかりになりましたが、物語的には
英国支配に反発する息苦しい時代の空気の中に、
許されぬ恋とか排他的な村人達の醜い行いとかが
出て来るような、思わずドヨ〜ンとする重い内容です。
しかし、凪いだ海が正しいわけでもなく、
荒れ狂った海が間違いでもないのと同列に、
倫理的に誰が正しい、誰が間違いといったような
視点を超えて、ただ「出来事」を俯瞰した映画なのかなと、
そういう気がします。
ヒロインの行く末を暗示したかのような
海風に揉まれる日傘のシーンが、美しくも印象的でした。
結局のところ、何かが翻弄される姿というのは
人の心を魅了するのだと思います。
Comments
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- Bill McCreary : URL ご覧になりましたね
-
こんなこと書くのも変ですが、ogatさんがこの映画をご覧になって記事を書いていただいて、すごくうれしく思います。
>しかし、凪いだ海が正しいわけでもなく、
荒れ狂った海が間違いでもないのと同列に、
倫理的に誰が正しい、誰が間違いといったような
視点を超えて、ただ「出来事」を俯瞰した映画なのかなと、
そういう気がします。
まさに仰せの通りですね。ロージーの行動が正しいわけではありませんが、かといってチャールズのロージーへの態度がよいわけではない。神父も、別れることが正解だとは思わないと最後に忠告する。ロージーの父の行動といい、英国将校の行動といい、革命家の行動といい、すべてが正しく、あるいは間違っているのかもしれない。革命家を将校が撃とうとするとき、アイルランド民衆が「撃つな!」と叫ぶシーンは印象的でした。そして濡れ衣でロージーを乱暴してしまう民衆の姿も、非常に残酷で、しかもその気持ちもわかるという複雑なものでした。
>ヒロインの行く末を暗示したかのような
海風に揉まれる日傘のシーンが、美しくも印象的でした。
あれは非常に印象的でしたね。あの断崖のシーンは最高でした。
ところであの断崖は、モハーの断崖というものです。南米に行くのはやめて、あそこに行くことに決めました(笑)。 - ogat : URL
-
>Bill McCrearyさん
数十年越しでやっと観ました笑
劇場ならではの大作ですね。
日傘のシーンも良かったですし、エビがもみくちゃに
される場面も暗示的でした。あと、ジョン・ミルズの
演技にも驚かされました。あまりに芝居がナチュラル過ぎて
演技であることを忘れており、後で演技だったと気付いて(???)
仰天した次第です。本作でオスカーもらった人がいるとのことで
誰だろうと帰ってチェックしたら彼の名前を発見し、
それはそうだろう!とものすごく納得しました。
あの断崖はちょっとすごいですね。
ぜひスペクタクルな写真を撮って来てください。
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