小学生の頃、クラスのX君と親しくしていました。「ポセイドン・アドベンチャー」や「パニック・イン・スタジアム」など、一連のパニック映画が大ブームの頃です。
X君の家では家族揃って東京に洋画を見に出掛ける習慣があり、「日曜はジョーズを見てきたよ!」などという話をしては、私をワクワクさせてくれました。我々の住んでいたのは関東近郊の小都市で、今となってみれば都内に出るのに大した苦労もない地域ですが、狭い世界で生きている普通の子供にとっての「東京」は、遥か彼方の別世界でした。
もちろん地元にも映画館はありました。しかし、新作がやってくるのは封切から約半年後。ヘタしたら一年遅れ。それに映画館という場所は、ちょっといかがわしい大人の領域と思っていたので、(マンガ祭やゴジラ以外で)そこに自分で足を運ぼうとは思いもしません。そんな中で、X君の映画話を聞くのは、大人の世界を垣間みる小さな冒険でもあった訳です。
最近の映画館はもう少し敷居が低くなっている気がしますが、字幕付き洋画を見る小学生は少なくとも当時は珍しかったと思いますし、そんなX君を尊敬の眼差しで見つめていた事が、後に私が映画好きになっていく土壌になっているのかもしれません。

身振り手振り交えて彼が話してくれた「タワーリング・インフェルノ」の話、昨日の事の様に覚えています。「タワーはビル、リングは炎が広がる輪、インフェルノは火事って意味なんだ!」(微妙に間違っていますが、なにぶん小学生ですのでね。かわいいもんです)と熱っぽく語る彼の口調に感動した一瞬は、今も脳裏に鮮やか。
その「タワーリング・インフェルノ」を久しぶりに観ましたが、ポール・ニューマンとスティーブ・マックイーンが同じ画面に収まっているという絵柄にはやはり興奮しました。トップスター同士の、あり得ない2ショット。他にもウィリアム・ホールデン、フェイ・ダナウェイなどが登場する重厚なキャスティングですが、フレッド・アステアまで出演していたことに今更ながら驚いた。普通の小学生はアステアなんて知りませんしね。映画としてのテンポや表現方法にややもすると古さが見え隠れしてしまうのは時代のせいでしょうが、それにしても、色々と感慨深いものがありました。
仲の良かったX君とも、その後クラスが変わってからは疎遠になってしまいました。いつか再会する機会があったなら、「タワーリング・インフェルノ」の話をしてみようと思います。
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あ、すいません、こんなことを私が書くのはすごいおこがましいんですけど、この記事すごいいい記事ですね。いろいろと70年代半ばの雰囲気がよく伝わります。
私の家もXさんの家同様親が私を映画にいろいろ連れて行ってくれました。その経験がなければ、「ライプツィヒの夏」なんてブログを書いたりogatさんとお知り合いになれる機会なんかなかったと思います。
>もちろん地元にも映画館はありました。しかし、新作がやってくるのは封切から約半年後。ヘタしたら一年遅れ。
そうだったんですか。いまじゃ考えられないですね。
>タワーリング・インフェルノ
ぼくもこの映画は大好きです。ニューマンとマックイーンの共演というのも、いまでは俳優のギャラが高騰してこのような共演は難しくなっていますね。ニューマンの名前をマックイーンより一段上にしたり、セリフを同じくらいにしたり…(「デビル」もそうらしいですね)といろいろ苦労していますね。
>フレッド・アステア
この間「ザッツ・エンタテインメント」を見ました。私はミュージカルにはまったく弱いので、アステアについても勉強したいと思います。
>Bill McCrearyさん
あまりにも内容が個人的過ぎて誰も興味ないだろうなと思いつつ書いたので、そういって頂けるなら書いた甲斐がありました。ありがとうございます。
> >もちろん地元にも映画館はありました。しかし、新作がやってくるのは封切から約半年後。ヘタしたら一年遅れ。
>
> そうだったんですか。いまじゃ考えられないですね。
どこの地方でもそうなのかはよく分からないですが、遅れて上映されるかわりに豪華二本立てでした。「007」と「未知との遭遇」とか、「スーパーマン」とジョージ・ロイ・ヒルとか、ロッキー1と2の併映などなど。予約制でもないので、好きな映画の時は朝から晩まで劇場にいました。今はそんな気力はとてもないですね笑。
大スターの共演は、ギャラ、クレジット配置、セリフ量のバランスなどいろいろ大変らしいとよく聞きますが、「オリエント急行殺人事件」で集められた名優達は互いに萎縮、緊張していたという話もあって、ケースバイケースでいろいろあって面白いです。もちろん、製作側はクレジットの順番等の段取りで大変な苦労をしているのでしょうけれども。
> >フレッド・アステア
「ザッツ・エンタテインメント」、私もビデオで時々観ています。(映画館には行きそびれてしまいました)。私はジーン・ケリー派(そんな派があるかどうか知りませんが)で、同じくアステアについてはあまり詳しく知らないのですが、「ザッツ・エンタテインメント」の中でケリーとアステアが互いに敬意を表しているところにはちょっと感動してしまいました。ちなみにジーンケリーに興味を持ったキッカケが「時計じかけのオレンジ」なので、正統派ミュージカルファンから見たら邪道なことこの上ないと思います(笑。
僕もお話にまぜてください!タワーリングインフェルノは小学生のころ、うちの親父が連れてってくれた時に、「友達も連れてこい」っていって一緒に行きました。78年か79年ごろの再上映だったです、たしか。あと、「大火災」とか「ピラニア」とか「ザ・カー」「ジョーズ2」とか、パニック映画こそがアメリカ映画の王道でしたよね。あとその手の映画の解説はもちろん月曜ロードショーの荻昌弘さんです(笑)
>spacedogsさん
こんにちは!私は親に連れられて映画に行ったことがなかったので(幼少時のアニメ映画は除く)、小さい頃からご家族と洋画を見る事のできた境遇がうらやましいです。それにしても子供の頃は、パニック映画こわかったです。「タワーリング~」もテレビで見て、当時はかなりトラウマでした。ところで荻昌弘さんの解説、とても懐かしいですね。例えば淀川さんとはまた違ったスタイルで、よどみなく溢れ出す幅広い見識が素晴らしかったとあらためて実感します。
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