エグベルト・ジスモンチ(piano, guitar)のオーケストラ・コンサートに行ってきました。
昨夏のソロ公演の筆舌に尽くし難い感動からはや一年、2008年もやってきたジスモンチ。今回は「東京の夏・音楽祭2008」というイベントの一環で来日し、去年と同様のソロのプログラムに加えて、オーケストラをバックに従えたライブも企画された訳です。

とにかく、予想に違わず、いや予想を遥かに超える素晴らしい内容でした。ジスモンチはいつも通りピアノとギターをプレイし、そこにオーケストラが加わる事で更なるダイナミズムとパッションとデリカシーが加味されて、スリリングこの上ないコンサートとなりました。特に、彼の代表的ナンバーのひとつでもある"Frevo"の様に早いパッセージの積み重ねで成り立つ楽曲では、ジスモンチのフレージングにユニゾンで追随するオーケストラに身震い。ジスモンチ不参加でオーケストラのみの演奏(もちろんジスモンチ楽曲)もありましたが、これも良かった。釘付けでした。
ご本人も終始ご機嫌で、ニコニコ笑みを浮かべながらの演奏。時折オーケストラ(または指揮者)の方を見てはニヤリとしています。昨年の二回の公演、少なくとも私が見たコンサートではMCも一切なく、あまり感情を見せなかったジスモンチ。会場の空気もピーンと張りつめていましたが、今回は様変わりの印象。今年はにこやかなジスモンチの元、心地よい緊張感と和やかなムードが入り交じりつつコンサートは進行しました。音楽が素晴らしいのは勿論良かったのですが、何よりも本人がこの日本公演を満喫しているように見えたのが、聴衆の一人として、日本人の一人として嬉しかったです。
二回のMCもありました。昨年に引き続いての来日についての謝意と、オーケストラ、観客などへの敬意を口にした上で、「テクニックだけでない、ソウルがある」と東京フィルハーモニー交響楽団を手放しで賞賛。また、ギター演奏時には滑り止めのパウダーを掌にまぶしながら、「これはベビー・パウダーで、いいニオイがするんだよ」と、楽しげに無駄口(?)も叩いていました。去年は「いかにも高尚な音楽を紡ぎ出しそうな、気難しいアーティスト」(良い意味で)という印象だったのですが、ホント今年は気さく。アンコールも二回で大満足。
カメラが何台も入って撮影していたようなのですが、ソフト化されるのでしょうか。是非また観たい(聴きたい)ものです。発売希望。

関東圏のみですが、明日午後にJ-WAVEの番組でエグベルト・ジスモンチ特集が放送されるそうです。
2008年6月7日(土)14:00〜14:40、J-WAVE「 MODAISTA / SUNTORY T-STYLE CAFE」(FM 81.3)にて。電話インタヴューや、昨年東京で行われたライブ音源などを交えてジスモンチ音楽を紹介するとのこと。来月の来日公演に行かれる方も行けない方も、是非どうぞ。そういう私は残念ながら聴けません。去年のライブ音源聴きたかった…。CD化してくれないものでしょうか。
ラジオとは関係ないですが、ジスモンチ公演の公式サイトでは、2007年のコンサートのセットリストが公開されています。今年も同じ曲をやるとは限らないですが、CDで予習する際の参考材料にはなるかと思います。以下URLにて。
2007年来日公演セットリスト
http://www.gismonti-live.jp/setlist.html
Egberto Gismonti Solo Concert 大阪公演
2008年7月4日(金)19:00開演@ザ・フェニックス・ホール
全席指定:5,000円 (一般) 1,500円(学生:限定数)

2008年のエグベルト・ジスモンチ来日ソロ・コンサート、東京だけでなく大阪公演もあると今更ながら気付きました。既にチケット発売されているようなので、今から間に合うかどうかは不明ですが、関西方面の方はチェックされてみてはいかかでしょう。
詳しくは
公式サイトで。

エグベルト・ジスモンチのソロ・コンサート2008、東京での追加公演があるそうです。7/5土曜に第一生命ホールにて。詳細は
公式サイトをご覧下さい。チケットは5/15に発売とのことです。
昨年のソロ公演の評判が良かったので、やはりあっという間に売れてしまった結果でしょうか。実際、これは見逃せないですよ。
昨日の補足ですが、イープラスにて2008年来日公演のチケット予約受付を行っています。4/24(木)12:00〜08/5/2(金)18:00まで。応募多数の場合は抽選になるようです。また、5/8の一般発売とこちらのプレオーダー、どちらの方が良い席が取れるかは不明。
以下のサイトで、エグベルト・ジスモンチで検索すると公演情報が表示されます。
http://eee.eplus.jp/
2008年7月に行われるエグベルト・ジスモンチの来日公演。イベントの
公式サイトを見ていたら、4/21より先行予約開始しているとの表記。慌てて予約しようとするも、なんと既に売り切れとのこと…。いくらなんでも早過ぎです(涙)
勿論、正規販売はまだありますので、これっきりで見られないという訳ではありません。5/8にチケット発売開始とのこと。詳しくはサイトをご覧下さい。


2007年の来日ソロ公演が実に感動的だったエグベルト・ジスモンチが、今年も日本にやってくるそうです。やはり昨年の公演が好評だったから? 喜ばしい事です。
「東京の夏」音楽祭(
公式サイト)というイベントの一環で、オーケストラ・コンサート(というのは普通にオーケストラと共演する、という事?)とソロ公演がそれぞれ、七月上旬に日替わりで行われるとのこと。
昨年のソロ公演は本当に本当に素晴らしかったので、見逃したファンの方には強くおススメします。オーケストラの方も楽しみです。
昨年のソロ公演の簡単な鑑賞記
この夏にエグベルト・ジスモンチが来日、ソロ公演が行われましたが、その時に行われたインタビューが招聘元サイトに掲載されています。音楽や人生に対する誠実で真摯な姿勢が強く感じられる、実に興味深い内容です。彼の生い立ちにまつわる話もあり、どうやってジスモンチの様な懐の深い音楽家が誕生したのかという背景も垣間みられて、とても面白い。以下リンクにて。
http://www.gismonti-live.jp/report.htmlその他、二日間の公演の写真やセットリストなどもあります。


少し間があきましたが、エグベルト・ジスモンチの来日公演についての感想、前回の続き。
彼がピアノもギターも(あるいはそれ以外の楽器も)自由自在に弾きこなすのは周知の事実ですが、実際に両方の、それも他に類を見ない高品質の演奏を目の当たりにすると、人間とはここまで二つの物事をカンペキに両立できるものなのか、と改めて驚愕させられます。こういうマルチ奏者のマルチ振りにばかり注目しすぎても、彼の音楽の本質を見失ってしまう恐れもありますが、ここまで各々の楽器を完全にプレイされると、一流野球選手が実はサッカー選手としても超一流であったかのような驚きを感じてしまいます。

例えば、ヨーロッパ圏に数カ国語を話す人間が珍しくない事を見ても分かる様に、複数の事柄を同時にマスターするというのは、人間の脳の持つ本来のキャパシティとしては決して難しい事ではないはず、と私は感じています。(自分がそこまで出来るかどうかは置いといて。)しかし、ジスモンチのマルチ・プレイヤー振りは、そういった一般的な通念としての「マルチ」の範疇を遥かに超えた、明らかに人間離れしたものです。こういう凄さを「天才性」の一言で片付けるのは、恐らく血の滲む様な研鑽を重ねたであろう本人にも失礼でしょうが、でもやっぱり「天才」としか言いようがないと思わざるをえないのでした。
余談ですが、日本では「ひとつの事を成し遂げるのも大変なのに、あれもこれも同時に出来るワケがない」という考え方が一般的と思います。良く言えば、背景には真面目で一途な国民性もあるのかもしれませんが、一方で我が国は、ジスモンチの様なマルチで異端な才能が開花しにくい土壌なのかなと思ったりもします。ジスモンチやエルメート・パスコアルなどの「天然系」アーティストが、日本と全く国民性の異なる南米に多いというのも、大変に興味深い事です。そういう観点で一般化を図るのはやや安易である、というのは承知の上で言うと。

ブラジルのピアニスト&ギタリスト、エグベルト・ジスモンチの16年振りという来日公演を見て来ました。16年前には彼の事にさほどの興味もなく、来日のニュースなど知りもしなかった訳ですが、その後ジスモンチは体を壊し、大きな海外ツアーなどは控える様になったとは聞いておりました。よって、今回の貴重な公演には何がなんでも駆けつけねばと、現場へ急ぎダッシュした次第です。もちろん、生で聴くのは初めてです。

今回はソロ公演という事で、1セット目が多弦ギター・ソロ、2セット目がピアノ・ソロという内容でした。当初は、できればバンドで、せめてナナ・ヴァスコンセロス(perc)辺りとのデュオで来てくれないかなー、などとテキトウな事を深い意味もなく考えていたのですが、ソロだからこそ堪能できるジスモンチ・ミュージックの全貌が大胆かつ繊細に繰り広げられ、ああやっぱりソロで聴けて良かった、と感じました。
抜群の表現力の下で行われた演奏は、ジスモンチ自身の手による数々の名曲が中心。天使の囁きから悪魔の咆哮まで、そのダイナミック・レンジの広さに驚かされると共に、年齢を重ねても衰えることのない驚異のテクニックにはつくづく感嘆させられました。あくまで「曲」を演奏しているので、いわゆる「即興演奏」の面白さとはまた質が違うのでしょうが、その解釈や展開はその場でリアルタイムに発想していると思われるので、演奏は非常にスリリング。同時に作曲家としてのジスモンチの素晴らしさも満喫できるという、最高のステージでした。
嗚呼、行っておいて本当に良かった、つくづくそう思えるライブであり、生涯忘れられないであろうパフォーマンス。感動、感動また感動。
